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アルゼンチン 基本情報

Copyright (c) 2009 Takeshi Fujiyoshi

このページの情報は 2007年12月〜2008年4月時点 のものである。

目次

出入国

日本人はビザ不要。 90日の滞在許可を毎回もらえる。

出入国手続きは国境のイミグレーションで行なう。 係員にパスポートを渡すと全部やってくれる。 こちらが記入する書類、ツーリストカード等は何もない。 出入国ともパスポートにスタンプを押される。 質問、荷物検査はなかった。

日帰り入国、日帰り出国の場合でも毎回手続きが必要。 リオ・ガジェゴス〜ウスアイア間のチリ領域をバスで通り抜ける場合や、 イグアスの滝を見るために国境を越えてすぐに戻る場合など。

ブエノス・アイレスからウルグアイへ船で出国する場合は、 ブエノス・アイレス側のターミナル内で アルゼンチンの出国手続きとウルグアイの入国手続きを両方行なう。

言葉

公用語はスペイン語。

国名のArgentinaはスペイン語で「アルヘンティーナ」と読む。

インフォメーションセンターでは英語が通じることが多い。

お金

通貨単位はペソ(Peso)。 1/100の補助単位センターボあり、小数2桁で表記する。

2007年12〜3月時点のレートは 1ペソ=34円

パタゴニアでは高額紙幣の使い勝手が良くない。 レストランなどで拒否されることが多い。 大型スーパーでは問題なく使えるが、 レジにおつりが足りなくてしばらく待たされることがよくある。 カラファテのネット屋で使用料わずか12ペソ(410円)の支払いで おつりが足りなくてクレジットカードで払わされたことがあり。 ブエノスアイレスでは問題なし。

クレジットカードは、上記のネット屋のときと 靴を買ったときとウルグアイ行き高速船のチケットを買ったときに使った。 安宿や安レストランでは使えなさそうな感じ。

国際キャッシュカード対応のATMは多くの街にある。

ただ一度だけ、 現金の引き出しは失敗したのに口座からは引き落されていたことがあった。 金額は約2万円。場所はブエノスアイレス州のアスール(Azul)という街のATM。 気づいたときにはすでに300km北のブエノスアイレス市にいた。

ホテル

名称としてHotel(オテール)、Hospedaje(オスペダヘ)、 Residencial(レシデンシアール)などがある。 HospedajeやResidencialの方が安くて民宿に近い傾向はあるが、 Hotelと代わらない場合もある。逆にHotelでもボロいところはボロい。 自分が泊まったところでは一泊20〜50ペソ(680〜1700円)、平均39ペソ(1300円)。

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外国人観光客が集まる街にはHostel(オステール?)がある。 欧米のホステルと同じドミトリー形式の宿。 3ヶ所泊まったが全て40ペソ(1400円)。 特に安くはないが、そういう街にあるシングルルームのホテルはもっと高い。

都市部ではインフォメーションセンターが値段付きのホテルリストを持っているので、 まずインフォメーションセンターで教えてもらってから探しに回る方が楽。

値段に対するクォリティは当たり外れはあるが、大外れはなかった。 安宿は市街地にある。ハイウェイ沿いのホテルは高い。

パタゴニアの安宿ではバスルームは共有が多い。 どの宿もお湯シャワーなので問題なし。 チリと違って温度調節は難しくない。

宿の管理人の印象は良かったり悪かったりする。 部屋があるか確認すると「ない」の一言で去っていく管理人とか、 チェックイン時は穏やかだけど段々機嫌が悪くなっていく管理人とか、 客の行動予定を細かく知りたがる管理人とか、 スペイン語を十分話せないことについて偉そうに意見する管理人とか、 どうも自分とは合わない人が多い。

朝食付きのホテルがたまにあるがシンプル(コーヒーとパンだけ)。 チリに比べると多少ボリュームはあるかな。

キャンプ場、野宿

パタゴニアにはキャンプ場のある街がいくつかある。 利用料は8〜15ペソ(270〜510円)、平均11ペソ(370円)と安いが、 クォリティは概ね良く、お湯シャワー付き、垣根で風対策が出来ているところが多い。 ただし、夜遅くまでラジカセで大音量で音楽を鳴らしているキャンパーが 高い確率でいるという問題はある。

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パタゴニアではハイウェイ下の通路口での野宿するのが便利、快適、安全。 テント不要。風が抜けるのが欠点だが、寝袋に入れば関係ない。

サービスステーションでの野宿は容易。 従業員に頼めば大抵許可はもらえる。 自動車で旅行している人達もテント張っているからやりやすい。

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食事

普通のレストラン

アルゼンチン人の食事の時間帯は日本人とは異なる。 昼の営業時間は12〜15時くらい。13時半頃から食べに来る人が多い。 夜の営業時間は早いところで20時から、多くは21時から。 実際には営業開始時間に従業員が集まってきて、 更に30分くらい遅れて開店する店が多い。それがアルゼンチンの常識?

セット物はなく、単品を個別にオーダーする。 自分が食べていたのは以下のようなもの。

  • 主菜: パスタ(スパゲッティ、ラビオリ)、肉(ステーキ、カツ)、など。 パンは無料で付いてくる。
  • 副菜: サラダ(Ensalada)、フライドポテト(Papa Frita)
  • 飲み物: コーヒー、ソフトドリンク、ビール
  • デザート: アイスクリーム、フルーツポンチなど

ステーキは、骨なしが「ビフェ(Bife)」、骨付きが「チュレタ(Chuleta)」と言う。 カツは「ミラネーサ(Milanesa)」と言う。 デザートは「ポストレ(postre)」と言う。

自分の場合、主菜+副菜+飲み物で20〜43ペソ(680〜1500円)、平均25ペソ(850円)。 パタゴニア南部は高め。北へ行くと安くなる。

料金の精算(ラクエンタ)は従業員を呼んで自席で行なうのが普通。 小さな食堂では気にしなくても良いが、 大きいレストランでは従業員が戸惑うかも知れないので一応。

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サービスステーションのレストラン

ミラネーサ(カツのこと)のサンドイッチとフライドポテトのセットが多かった 気がする。

朝食

あまりレストランで朝食を食べたことがないのでよく分からない。 自分が食べた範囲では、コーヒー+パン(トースト or クロワッサン?)少々 というパターンで7〜10ペソ(240〜340円)。量は全然足りない。

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中華レストラン

アルゼンチンの中華レストランはビュッフェが主流。 中華料理のビュッフェに加えアサード(アルゼンチン風焼き肉)の食べ放題が セットになっている。テネドールリブレ(Tenedor Libre)と呼ばれる。

自分の場合、一食19〜38ペソ(650〜1300円)。

軽食

ハイウェイ沿いのサービスステーションには作り置きの軽食がある。 サンドイッチ、エンパナーダ、ケーキ(Tarta)など。 買ったものを店内で食べられるようテーブルがあるところが多い。

  • エンパナーダ1つ: 1.25〜2ペソ(43〜68円)
  • 肉入りサンドイッチ: 10ペソ(340円)前後

フードコート

自分が行った街では、ブエノスアイレスとバイアブランカにはフードコートがあった。 一般のレストランに比べて特に安くはならない。

その他

  • アサードのチョリソ(ソーセージ)はどこで食べても塩辛い。 モルシージャは美味いと思う。
  • 魚は少ない。

食料品

スーパーは普及していて、どこの街にもある。

カバン持ち込み禁止のところが多く、入口で預けなければならない。

野菜、果物は量り売り。 レジでは量れないので売り場で従業員に量ってもらいバーコードラベルを 付けてもらう。

店の営業時間

シエスタが徹底している。 平日は、正午から〜夕方までレストランと大型スーパーを除く 殆ど全ての店が閉まる。 レストランは2〜3時間遅れて閉店、開店する。 休日は街中の店が徹底的に閉まる。

パタゴニア地方のスーパー

チェーン店の大型スーパー La Anonima にはカートは置いてあるけど カゴが置いてない店舗が多くて不便。

都市部の大型スーパーは夕方異常に混雑し、レジの行列で30分待ちとかになる。 商品10個以下用のレーンが2列くらいあるが、全然守られていないので意味がない。 カートを持った旦那をレジに列ばせておいて、奥さんが商品を取ってきては 入れてを繰り返している夫婦とかが多い。 待っている間に売り物のお菓子を食べてその代金払わないやつがいたのには驚いた。 これがアルゼンチン人の常識?

醤油は Norte と Carrifour というスーパには売っている。 パタゴニアでシェアを占める La Anonima や Alas には売ってない。 カップラーメンもあまり見なかったと思う。

以上はパタゴニア地方の話。 ブエノスアイレスではそういう問題はない。

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物価データ

飲み物
  • ワイン: 1Lパック入りのものがスーパでは3ペソ(100円)、 サービスステーションでは5ペソ(170円)くらい。
  • フルーツジュース1L 3〜3.70ペソ(100〜130円)
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青果
  • バナナ1本 0.50〜0.80ペソ(17〜27円)
  • りんご1個 0.50〜1.10ペソ(17〜37円)
  • グレープフルーツ1個 1.40〜2.75(48〜94円)
  • トマト1個 0.50〜1.30 (17〜44円)
  • さつまいも小1個 0.50〜1ペソ(17〜34円)
その他
  • パスタ500g: 3〜3.50ペソ(100〜120円)
  • 米500g: 2ペソ(68円)前後
  • Dulce de Leche(パンにつけるやつ)250g: 2.60〜3.35ペソ(88〜110円)
  • パスタ用トマトソース350g缶: 2〜2.60ペソ(68〜88円)
  • サラミ1本(直径4cm×長さ10cmくらいの): 4.50〜5ペソ(150〜170円)

気象状況

詳しくはルートデータを参照。

パタゴニアの風は、時期、場所によって吹き方が異なる。 自分が走った時期、場所についてしか分からないが以下のような感じ。

12〜1月のパタゴニア南部
非常に強い西風が吹いている。 リオ・ガジェゴスから南、フエゴ島北部にかけてが一番きつい。 フエゴ島南部では吹かなくなる。 寒い日が多い。
2月のパタゴニア東海岸沿い
風向き、強さは日によってバラバラ。日中に風向きが変化することはない。 晴天の日の気温は安物の温度計で40℃を越えることがある。

ブエノスアイレス州に入ると風は吹かなくなるが、 自分が走った2月下旬〜3月上旬は毎日断続的だが結構な量の雨が降った。 テレビのニュースでブエノスアイレス市内の浸水被害の状況を放送していた。

南部では夏季は日が長く遅い時間まで明るい。 遅くまで走れる代わりに朝の出発が遅くなりがち。

道路状況

詳しくはルートデータを参照。

ハイウェイの路側帯は基本的に舗装されていない。

自動車の運転マナーは悪い。 パタゴニアの幹線国道ルータ3では車の追い越し合戦が頻繁に行なわれている。 路側帯が未舗装で道幅は十分広くないため、大型車同士のすれ違いや追い越しの タイミングに遭遇するとクラクションを鳴らされる。 一度だけトレーラの運転手が下りてきて「車が来たら路肩によけろ」と怒られた。 『お前がブレーキかけろ』と言いたかったけど言えなかった。

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州境や都市の出入口に検問所が多く、パスポートをチェックされることが多い。 また、ハイウェイ上でもポリスの職務質問をたびたび受ける。

パタゴニアのルータ3では動物の死骸がよく転がっている。 自分の目の前でアルマジロが車のタイヤに潰されて真二つに分断されるのを 見てしまった。他人事ではないかも。

ブエノスアイレス周辺には高速道路があるが自転車で走れるかどうかは不明。 一般道でも時々料金所があるが自転車は無料。

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地図

道路地図はサービスステーション(ガソリンスタンド)の店に売っている。 店によって中を見せてくれるところ、ダメなところあり。 自分は以下の地図を併用した。

アルゼンチ全体の道路地図
Mapas Argenguideというシリーズのもの (参考: http://www.mapasargenguide.com.ar/)。 本ではなく広げるタイプ。縮尺は忘れたがたぶん200万分の1くらい。 ガソリンスタンドの場所が載っているので参考にはなる。 自分はPerito MorenoのYPFのガソリンスタンドで買った。
パタゴニアの道路地図
Firestoneのパタゴニアの地図。広げるタイプ。 アルゼンチ側パタゴニアに関してはハイウェイと地名が網羅されている。 ただ、民家も何もないただの分岐点にも地名が付けられていて、 何かあるのかと期待してしまうので危険かも。 サービスステーションは載っていないがエスタンシアが地名として載っている。 ただ、実在するのか単なる地名なのかの判断できない。 チリ領域も含まれているが、道路がえらく直線的に描かれている。 カラファテの書店で購入した。 英語のガイドブックや英西辞書なども扱っている観光客向けの店。
チリの道路地図
チリで使っていたキャンプ場ガイド付属の道路地図。 アルゼンチン側のパタゴニアの一部が含まれている。大雑把だが参考にはなる。
ブエノスアイレスの都市地図
ブエノスアイレス市に入る少し手前でガソリンスタンドで買った。 しばらく滞在するなら持っておくと良い。

補給性

詳しくはルートデータを参照。

パタゴニアでは、西側のルータ40は補給場所が少ないのはもちろんだが、 東側のルータ3も相当に何もないので油断しない方が良い。 ブエノスアイレス州に入ると全く問題ない間隔で店がある。

パタゴニアのルータ3では沿線の牧場内にときどき風車があるが、 それは風力式地下水水汲み上げ機である。水が出ている可能性あり。 直接飲むのは抵抗あるが炊事には使える。

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インフォメーションセンター

アメリカ大陸ではカナダの次に充実している。

都市のインフォメーションセンターは宿のリストを料金付きで持っている。 リオ・グランデではオフィスの窓ガラスに料金付きリストが貼ってあった。 バイア・ブランカでは料金リストをそのままくれた。

どこのスタッフも印象は良い。 都市のインフォメーションセンターでは英語が通じる。

インターネット

小さな街にもインターネット屋がある。 電話屋と一緒になっているところが多い。

パタゴニア地方の小さな街では回線速度が遅くて使い物にならないところが多い。 パタゴニアでも都市部では回線速度がまともであることが多い。

回線速度が遅い街
ペリト・モレーノ、カラファテ、リオ・グランデ、ピエドラ・ブエナ、アスール
回線速度がまともな街
ウスアイア、リオ・ガジェゴス、コモドロ・リバダビア、トレレウ、ビエドゥマ、 ブエノス・アイレス

利用料はパタゴニア南部では高い。 コモドロ・リバダビア以南では1時間3〜6ペソ(100〜200円)、平均4ペソ(140円)。 トレレウ以北では1時間1.50〜2.50ペソ(51〜85円)、平均2ペソ(68円)。

その他


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