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このページの情報は 2008年4月〜2009年1月時点 のものである。
日本人はビザが必要。 ビザは各国にあるブラジル領事館で取得できる。 手順は、(1)ブラジル領事館へ行き、(2)ビザが欲しいこと伝え、(3)指示に従う。 英語はたぶん通じる。
申請に必要な物は申請用紙、パスポート、顔写真、申請料。 顔写真は7×5cmとなっているが4×3cmでもOKだった。 申請料は50〜60USドル、現地通貨でも支払可能。 直接現金で払う場合と銀行振り込みで払う場合がある。
公式にはブラジルまでの往復チケットの提示が必要だが、 領事館によってはチケットの代わりにクレジットカードがあれば取得できる。 自分は、1回目はウルグアイのリベラ、2回目はペルーのリマで どちらもチケットなしで90日マルチ(再入国可能の)ビザを取得できた。 ブエノスアイレスとモンテビデオでは問答無用でチケット必要の様子。
ガイドブックによると、ビザの有効期限とは別に、 1年間で180日を越えて滞在できないというルールもあるようなので一応注意。
国境の街にあるポリシア・フェデラウ(Polícia Federal=国家警察)で 出入国の手続きを行なう。 国境のハイウェイ上にあるならそこで行なえば良い。 国境にポリシア・フェデラウが無い場合は、 ポリシア・フェデラウがある一番近い街で手続きを行なうことになる。 出国時は注意しないと前の街に戻るはめになる。
入国時は、係員にパスポートを渡して質問に答えて入国が許可されれば パスポートに入国印が押され、ツーリストカードを渡される。 出国時はパスポートとツーリストカードを渡せば出国印が押される。 自分で記入する書類はない。
自分は3回ブラジルに陸路で入国した。 ウルグアイとパラグアイから入国したときは無審査に等しかったが、 ペルーから入国したときは旅費を証明するものが必要だと言われた。 国際キャッシュカードとクレジットカードを見せても渋い顔をされ、 90日滞在を希望したら「本当に90日もいるのか?」と疑われたが、 何とかねばって90日滞在許可をもらった。
ところで、ブラジルの国境の街は隣国の街と一体になっているところが多く、 出入国手続きなしで国境を行き来しても問題はない。 そのため、国境の街に着いたらまずどちらかの街のホテルに落ち着いてから、 ゆっくりと手ぶらで両国のイミグレーション、ポリシア・フェデラウを 回ってもよい。ポリシア・フェデラウが休業日ならば翌日でよい。
公用語はポルトガル語。 文法、単語がスペイン語と似ているため、スペイン語に馴染んでいる人には とっつきやすい。 発音は、テキストを見るとスペイン語と似たようなものと感じられるが、 実際の聞こえ方はかなり違う。 こっちがポルトガル語で話しているつもりでも スペイン語を話していると思われることが多かった。
自分はポルトガル語のテキストを持っていなかったが、 アルゼンチンのブエノス・アイレス滞在中、 宿に置いてあった「指さし会話帳」で軽く勉強した。
スペイン語が通じる人はそこそこいる。少なくとも英語よりは通じる。
通貨単位はヘアウ(Real)、複数形でヘアイス(Reais)。 頭に「R$」を付けて表記する。1/100の補助単位あり、小数2桁で表記する。
レートは、
2009年10月現在では 1ヘアウ=50円くらい。 この資料の中では 1ヘアウ=50円 として計算する。
高額紙幣の使い勝手は普通。 アルゼンチンよりは良く、チリ、ウルグアイよりは悪い。
国際キャッシュカード(PLUS、Cirrus)対応のATMは困らない程度にはある。 HSBCとBradescoのATMは国際キャッシュカードに対応している。 Banco do BrasilとItaúは小さな街でもよく見かけるが、 国際キャッシュカードには未対応の様子。
ブラジルのATMはカードを半分だけ差し込むタイプが多く、 機械に飲込まれる心配がない。 表示される指示通りやればよいが一応書いておくと、
国際キャッシュカード対応のATMには英語モードがある。 言語は最初に選択できるはず。
名称は「Hotel」か「Pousada」。 Pousadaは周辺国のHospedajeに相当する、のかな。
街の規模が大きいほど ホテルの値段が高くなりクォリティが低くなる傾向が見られる。 都市部では長距離バスターミナル(Rodoviaria)の周辺に安宿が集まっている 傾向がある。
自分が泊まったところはこう。
朝食付きホテルが多い。 セルフサービスすなわち食べ放題が殆ど。
当たり外れはあるが、田舎のホテルでは豪華なところが多い。 コーヒー、ジュース、牛乳、ヨーグルト、パン、クラッカ、クッキー、 カステラ、ハム、サラミ、チーズ、果物など、色々あって嬉しくなる。 逆に、都市部のホテルではパンとコーヒーだけのパターンが多くて嬉しくない。
朝食の時間帯は6時半ごろから。チリやアルゼンチンに比べると早い。
コーヒーを好きなときに無料で飲めるようにしてあるホテルが多い。 ブラジルではどこのホテル、レストランでもコーヒーには最初から砂糖が たっぷり入っていて非常に甘い。 自分は普段コーヒーに砂糖は入れいないので最初は気持ち悪かったが、 慣れると砂糖なしでは物足りなく感じてしまう。
キャンプ場はあるらしいが見たことはない。
ハイウェイ沿いには何も無くても私有地の柵がびっしり張られているため、 野宿はやりにくい。
その代わり、ガソリンスタンドや店の庭、軒下での野宿が可能。 トイレは自由に使える。北部ではシャワーの付いているところが多い。 ただし、22時頃まで人が集まってきて騒がしかったり話しかけられたりするので、 個人的には好きではない。
ブラジル南部のレストランでは定額の食べ放題ビュッフェが主流。 高いところはビュッフェに加えてシュラスコもあるが、 そんなに食えないからその分安くして欲しいというのが本音。 5〜14ヘアイス(250〜700円)、平均8.40ヘアイス(420円)。
ブラジル北部(アマゾン地域)のレストランでは 米、パスタ、豆、肉料理などを盛り合わせた プラト・フェイト(Prato Feito) と呼ばれる定食が多かった。 5〜10ヘアイス(250〜500円)、平均6.70ヘアイス(340円)。 北部では量り売り形式のビュッフェも多かったが割高。 自分の場合、かなり控えめに取っても平均10ヘアイス(500円)。
ポルトガル語で昼食のことを「アウモッソ(Almoço)」と言う。 一般的に、ビュッフェやプラト・フェイトは「アウモッソ」であるが、 ハンバーガなどの軽食は「アウモッソ」とは言わない。 夕食については、知らない。
アマゾン地域では魚料理があったり無かったり。 MS州ではパンタナール周辺で魚を食べられる店があるが、高い。
飲み物は別料金。
食事の時間帯は日本と同じくらい。 昼は14時頃に閉まる。
ブラジルでは軽食のことを「Lanche(ランシェ?)」と言う。 軽食店は「Lanchonete(ランショネッチ)」と呼ばれ、看板にもそう書いてある。
大きな都市のショッピングモールにはフードコートがある。 一般的なレストランよりも高い。料理の内容で見ても利用価値はないと思う。
パン屋さんは店内で飲食できるようテーブルが置いてある店が多かった。
人口のわりにはあまり見掛けないが中都市以上の都市にはある。 高いので一度しか入ったことがない。
小さな街にも小規模のスーパーが普及している。 大きな街には大型スーパーあり。 ただ他の国と違い大型でもチェーン店は殆どない(Carrifourくらいか)。
休日はスーパー含めて店が徹底的に閉まるので注意。 土曜日の午後も危険。
店員の対応の良さは大陸一。日本みたい。というか、他の国が悪すぎる。
場所、時期によって異なる。
詳しくはルートデータを参照。
道路網はよく整備されている。舗装率は高い。 路側帯の舗装状態は場所によってまちまち。
交通量は場所によってまちまち。自分が走ったルートはどこも少なめ。 車の運転マナーは普通。アルゼンチンよりは良く、チリよりは悪い。 市街地では若者が運転するモトタクシーの運転マナーがめちゃくちゃ。
自分は走ったところは全体的に丘陵地が多くアップダウンが多かった。 特に南部(RS,SC,PR州)とアマゾンのマナウスの北300kmくらいは起伏が激い。
どうでも良いことだが、ハイウェイ上の小さな交差点で、 左折でも右側から回り込むように左折レーンが右側に作られているところがある。 そのような交差点では標識にも右方向に矢印が書かれていたりして一度騙された。
道路地図は充実している。
全国を網羅した道路地図は本型のが何種類か売られている。 街の本屋、ニューススタンド、ガソリンスタンドなどで売っていたり 売っていなかったり。 自分は、RS州サンタナ・ド・リブラメントの街のガソリンスタンドで買った。
州によっては州ごとの広げるタイプの地図もある。 RS州の道路地図はインフォメーションセンターでただでもらえた。
古いので良ければ以下のサイトにPDF形式の地図が置いてある。 たしか DNITのサイト に置いてあったものだと 思うけど、そっちで探しても見つけられなかった。
自転車はポピュラーな乗り物であり自転車屋は多い。 ただ、ブラジルローカル自転車(日本ならママチャリ)が多く普及していて、 ロードレーサやMTBのようなスポーツ車の割合いは低い。 大きい街では探せばシマノのパーツを売っている店はある。
ブラジルでは2回タイヤを交換したが、 MTB用26インチは幅1.95インチが最小でそれより小さい物は見なかった。
自転車用のタイヤレバーは無いようである。 自転車屋に見せたら「何だこれは?」と言われた。 コルンバで車輪のメンテしてもらったときは、 50cmくらいのでっかいレバー1本とマイナスドライバを使ってタイヤを外していた。 また、店が持っているスプロケット外し工具はギザギザがすり切れて使い物にならず、 自分のやつを貸した。という感じで、工具はあまり充実していなさそう。
ガイドブックによれば主要都市にはあるはずなのだけど、 書いてある住所へ行っても無いことが多く、なかなか見つけられない。
ヒオ・ブランコ、マナウス、ボア・ビスタでは見つけた。 マナウスのインフォメーションセンターでは安宿と自転車屋の場所を聞いてみたが、 質問が伝わらなかったのか期待する答えを得られなかった。
インターネット屋はそこそこ普及している。 ゲームセンターと一緒になっている店が多いような。
看板には「CYBER」「LAN HOUSE」と書いてある店が多く、 「INTERNET」と書いてある店は少ない。
利用料は1時間1.50〜3ヘアイス(75〜150円)、平均2ヘアイス(100円)。
回線速度は同じ街でも店によって異なる。プロバイダの違いか? ボリビア国境の街コルンバでは高い店では速かったが、 それ以外の安いところは激遅で使いものにならなかった。
コントロールパネルを開けなかったりダウンロードしたプログラムを 実行できなかったりと、制限のかかっている店が(周辺国に比べると)多い。 マナウスのネット屋が一番やりにくかった。
中都市以上の都市では路線バスが整備されている。 乗車は前から、降車は後ろから。 前4分の1くらいの場所にゲートがあり、そこで車掌に料金を払ってから 後ろのスペースに入るシステムになっている。 おつりは上限を越えなければもらえる。 降りるときは車内に張ってあるロープを引っ張るかボタンを押して運転士に知らせる。 アナウンスはない。 バス停には看板なり屋根なりあって見れば分かる(そうでない国が多い)。
長距離バスは一度だけ使った。ウマイタからポルトベーリョまでの約200km。 自転車は問題なく載せることが出来た。 始点から乗る場合は、バスターミナルのチケット売り場でチケットを買う。 途中から乗る場合は乗務員に直接払う。
ブラジルでは長距離バス用のバスターミナルのことを 「ホドビアリア(Rodoviaria)」と言う。
次節を参照。
アマゾン川およびその支流沿いの街の間は船で移動できる。 まともな道がないため、船と飛行機以外に移動手段がない。 しかし、よそ者にとっては大変分かりにくいシステムになっている。 自分も一度しか乗っていないのでよく分かっていない。
路線、港によって異なるかも知れないが、 ポルト・ベーリョとウマイタから乗る場合は以下のような感じ。 マナウスには立派なターミナルビルがあるので話が違うかも知れない。
標識も看板もターミナルビルもなく、よそ者が見ても 乗り場だと分かるようにはなっていない。地元の人に聞いて確認する。
多くの港では、陸地から船の乗船口まで長い階段を下りなければならない。 自転車の荷物を一旦外して別々に運ぶことを覚悟していたところ、 地元のオッサンが運ぶのを手伝ってくれたので有難いと思っていたら 最後に「10ヘアイス」とチップを要求してきやがった。ムカつく。
出発の日時はどこにも書いてない。船主、代理店、地元の人などに聞く。 始発港はまだ良いが、途中の小さな街の港から乗る場合はますます分からん。
注意: 以下の話は筆者の推測。たぶんこう、という話なので信用しないように。
チケットの購入方法は以下の4つのどれか。
前売券は当日券よりも高い。おそらく寝場所の違ではないかと思う。 料金が高くても良い場所を取りたいなら前日に買う。 地元のオッサンから買うと値切れるかも知れないが、 ぼられないよう代理店や船主にも値段を確認しておいた方がよい。
場所にこだわらないのなら当日買った方が安い。たぶん船の上で買うのがベスト。 しかし当日、チケットを売りさばこうと必死のオッサンたちの網をくぐり抜けて 船に辿りつくのは難しいかも知れない。つかまったら値切れるだけ値切って買う。
ただし、ポルト・ベーリョなど主要都市から乗る場合は選択肢4つとも全て可能だが、 ウマイタなど途中の港から乗る場合は船の上で買う以外にはなさそう。
ここで「地元のオッサン」と言うのは、僕の見たところ、代理店と同じく 船主の代わりにチケットを売るのを手伝っているのであって、 いわゆるダフ屋とは違うように思う。
なお、自転車の持ち込みは追加料金(20ヘアイス(1000円))を取られる。
自分が乗ったポルト・ベーリョ〜マナウスの船は、
という構成になっていた。
ハンモックエリアは2フロアある。 下階はエンジン音がものすごくうるさい。 なるべくエンジンルームから離れた前の方にハンモックを張ること。 上階は静かでしかも綺麗だが、自分が船に乗り込んだ時点で既に埋まっていた。 たぶん料金が違う。個室も全て埋まっていた。
ハンモックエリアは定員(?)をオーバーしても詰められるだけ詰めてくる。 あまり低い位置にハンモックを張っていると、 途中から乗ってきた客に真上に張られるので気をつけたい。 逆に自分が途中港から乗る場合はずうずうしくも強引に張るより仕方ない。
トイレは全部で5ヶ所くらいあったと思う。 待ち行列が出来るほどではないが占有率は高い。 シャワーと洗面所は川から汲み上げた水を使用。 マデイラ川の水は大分茶色く濁っていた。
自分が乗った船では食事は三食ついていた。 朝はパンとコーヒーのみ。昼と夜はプラト・フェイト。 量はレストランに比べると大分少ないが、 船内ではあまり体を動かさないのでちょうど良い。 食事時間になったらキッチンでお皿をもらって各自好きなところで食べる。
船内には冷水機が設置されていて、 いつでも綺麗で冷い水を飲める(たぶん水道水)。
売店では飲み物やサンドイッチを買える。
ハンモックとハンモックを柱に引っ掛けるためのロープ×2本、 それと自転車を固定するためのロープも必要。 ポルト・ベーリョでもウマイタでも 港の近くにハンモックを売っている店が沢山ある。休日休みなので注意。