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カナダ 基本情報

Copyright (c) 2009 Takeshi Fujiyoshi

このページの情報は2006年4〜8月時点のものである。 2009年5月時点の情報も一部含む。

目次

出入国

日本人はビザ不要。6ヶ月まで滞在可能。

空路で入国

機内で渡される税関カードを記入し、パスポートと一緒にイミグレーションの ゲートの係員に渡し、係員の質問に答え、指示に従う。

自分のときは、ゲートの先にあるイミグレーションオフィスへ行けと言われた。 そこの待ち行列に列ぶこと1時間半(椅子はない)、ようやく順番が回ってきて、 審査官に細かい質問を沢山受けて手続き終了。 パスポートに入国印を押され、その下に滞在期限が記入される。 ツーリストカードの類はない。 税関カードは手荷物引き取り所の出口で回収される。

質問の内容は、行き先、滞在期間、滞在先住所、職業、出国チケット、 旅費についてなど。質問の量、手続きに要する時間は大陸一。

ゲートのオッサン係員の対応はいい加減で印象悪かったが、 イミグレーションオフィスのオバサン審査官の対応は丁寧で 英語はゆっくりで聞き取りやすく、印象は良かった。

陸路で入国

国境のハイウェイ上にあるイミグレーションで入国手続きする。 車と同じ行列に列び順番を待つ。 なるべくマイナーなルートを選んだ方が待ち時間が短かくて良い。

基本的には係員の指示に従うだけ。 自分のときは、ゲートで係員にパスポートを渡して質問に答えたあと、 別の入口からオフィスに入り、更に細かい質問を受けて終了。 パスポートに入国印が押され、その下に滞在期限が記入される。 自分で記入する書類、ツーリストカード、手数料はない。

係員の対応は丁寧で英語はゆっくりで聞き取りやすく、印象は良かった。

出国

空路でも陸路でも出国手続きは何もない。

言葉

公用語は英語とフランス語。

ケベック州含む東部ではフランス語が常用されている。 道路標識や店の看板も全てフランス語。 英語でも通じるので問題はないが、高齢者は慣れていない人もいる。

英語の発音はアメリカに比べるとクリアで聞き取りやすい。 ただし、若者の話し方はレロレロモゴモゴという感じで聞きとりにくい。 フランス語圏のケベック州では英語は特に聞きとりやすかった。

お金

通貨単位はカナダドル、英語ではカナディアン・ダラー(Canadian dollar)。 通常は単にドル、ダラーと言う。 頭に単位記号「C$」または「$」を付けて表記する。 1/100の補助単位セント(cent)があり、小数2桁で表記する。

セントのコインはアメリカのセントと同じ種類、色、形状。 数字はとても小さく書かれているので、慣れるまで買物が疲れる。 コインにはペニーとかルニーとか名前がついているのだけど何が何だったか忘れた。 25セントコインはクォータと言う(1/4の意味)。 コイランドリーではクォータと1ドルコインが必要なところが多い。

店などで値段を言うときは、単位のダラーやセントは付けないのが普通。 また、大きな数値は2桁ずつ区切って言う。 134ドル56セントならば「ワン、サーティーフォー、フィフティーシックス」となる。

レート

  • 2006年4〜8月時点のレートは 1カナダドル=102円。
  • 2009年5月時点のレートは 1カナダドル=82円。

ATM

国際キャッシュカード対応のATMは人口数千人規模の街にはあり、困ることはない。 アラスカハイウェイでは500km置きにある街にはある。

クレジットカード

クレジットカードが使える店、ホテルは多い。 安いモーテルでは稀に使えないところもある。

消費税

消費税が高い。 BC州では州税7%+連邦税7%払っていた。州税は州によって異なる。 連邦税は短期滞在ならレシート持って手続きすれば返してもらえるらしいが、 自分はそれ以上滞在していたので関係なく、詳しくは知らない。

宿泊

ホテル、モーテル

田舎には「MOTEL(モーテル)」が多いが「HOTEL(ホテル)」もたまにある。 部屋の出入口とかレストランの有無とかで多少の違いは見られるが、 値段的にも設備面でも同じようなものである。

料金は自分が泊まったところは一泊平均C$54。 南部はC$50前後が多いが、アラスカハイウェイ以北は1.5倍くらい高くなる。 最北のイヌービックではC$100以下のホテルはない。

中南米とは違い、安くても十分なクォリティが確保されている。 バスルームとテレビは必ず付いている。 電子レンジと冷蔵庫が付いている所もある。 2006年時点で、ワイヤレスインターネットアクセスが可能なホテルはよく見かけた。 現在はもっと増えていると思われる。

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ホステル

大都市(50万人〜)や観光地にはドミトリ形式のホステルがあるかも知れない。

料金は自分が泊まったところは一泊C$18〜35。 同じホステルでも部屋の種類によって料金が異なる。 少人数の部屋ほど高く、大部屋になるほど安くなる。 HI(Hostelling International)系のホステルでは会員になると1〜2割安く泊まれる。 旅費全体としては大して違わなくても気分的にはお得。

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学生寮

大学や短大の閑散期には学生寮に泊まれるかも知れない。

自分はBC州プリンス・ジョージでCollege of New Caledonia(通称CNC)という 学校の敷地内にある学生寮に宿泊した。一泊C$20(2006年当時)。 寮と言っても個室で広くて電子レンジ、冷蔵庫、流し台つき、 バスルームは二部屋で共有だが隣が居なかったので実質独占。 学校へ行けば図書館でPC、ネットが使いたい放題となかなか快適だった。

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CNCの他には、エドモントンのアルバータ大学やサスカトゥーンの サスカチュワン大学でも寮に泊まれるようである。 詳しくは各都市のインフォメーションセンターで教えてもらえる。

キャンプ場

カナダ国内にはRVの旅行者をターゲットにしたキャンプ場が多数ある。 殆どのキャンプ上はテント泊が可能だが、 都市部にはRV専用のキャンプ場もある。 自分は大都市に滞在中を除き、ほぼ毎日キャンプ場に泊まっていた。

利用料は一泊C$5〜18、平均C$12。 殆どがC$10以上。北部と湖周辺は高い。

キャンプ場は、私営、州営、町営に分類できる。

私営キャンプ場
お湯シャワー、コインランドリ、レストランなどの設備があり、 管理人が常駐しているのでセキィリティ面でも安全。 街から近いところにあって便利なところが多い。 湖のまわりにあるキャンプ場は混んでいて料金は高い。
州営キャンプ場
街からは遠く離れた景勝地などに作られているキャンプのためのキャンプ場。 トイレは洋式だけど汲み取り式、炊事には井戸や川の水を使い、 薪が置いてあって自由に使えるところが多い。 BC州のキャンプ場では管理人が常駐していて、夕方集金に回ってくる。 YT州、NT州のキャンプ場では管理人が不在でセルフレジストレーション (封筒に料金を入れて所定の場所に投函する)形式が殆ど。料金は高め。
町営キャンプ場
街の中にあって安くて便利だが、料金は役場で払い、 設備は中途半端、管理人不在でセキュリティ面で安全でないところがある。 エドモントンの70km南東にあるTofieldという街の町営キャンプ場で 夜中テントで寝ているとき、何者か僕の自転車をテントに投げつけてきた。 怪我はしなかったが、テントが破れた。
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食事

大陸一食事がつまらない国。 空腹は最高の調味料なんて言うのはウソ。 ハンバーガなんて見ただけで気持ち悪くなる。

普通のレストラン

朝食

卵、ハム or ソーセージ or ベーコン、ハッシュブラウン、トースト のセットが多い。コーヒーは別料金で飲み放題。ボリュームはある。 卵の調理方法はサニーサイド、オーバーイージ、スクランブルなどから選ぶ。 普通は卵2つ使う。オムレツは卵3つとかから。 自分の場合、一食平均C$8.40。

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昼食、夕食
サンドイッチが主菜で、ポテトやスープが付属してくるものが多い。 自分の場合、一食平均C$10。
ステーキハウス
何度か入ったが、ご飯がないので全然ダメ。

注文が済むとメニューを持っていってしまう。 そのまま置いといてくれればいいのに。

中華料理

中国人経営の中華レストランは人口1000人くらいの街からある。 外見はカフェだけど中身は中華料理な店が田舎には多い。 個人でやっていてウェイタがいない小さな店が多い。

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大きい店では、2回以上同じ店に入ると店員の対応が悪くなる、 という経験を2回した。 チップ払ってないからかどうかは知らないが、印象悪い。

自分の場合、一食平均C$10。

ところで、大都市には中国人経営のSUSHI屋が沢山ある。 2回ほど入ったけど美味しくなかった。

軽食店、カフェ

田舎には、サンドイッチ+フライドポテト系の軽食レストランが多い。 個人的にはなるべく避けたい。

ファーストフード

人口5千人くらいの街からファーストフードのチェーン店がある。 マクドナルド、KFC、A&W、Tim Hortons、Daily Queens、SUBWAYなど。 マクドナルドは店員の対応が無愛想な店が多いのに客は多い。

一食あたりC$6〜7。

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フードコート

都市部にはショッピングモールなどにフードコートがある。 肉と野菜を鉄板で炒めた物を白いご飯の上に載せて「Teriyakiソース」とか かける料理の店が流行ってるみたい。 店員はみんな中国人なので中華料理の一種かと思われる。

一食あたりC$7前後。

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食料品

スーパーは普及している。 都市部の大型スーパーはカバンの持ち込みが禁止のところが多く、 入口でロッカーなどに預ける。 田舎のスーパーは17時頃閉店、休日は午後から営業。

日本食材は大都市にある中華街の食料品店で入手可能。

気象状況

時期、場所によって異なる。

5月前半のBC州南部
標高500m以上ではみぞれが降るくらい。0℃対応の寝袋では寒い。 南風が多かったがたまたまかも知れない。 夜は20時過ぎまで明るい。
5月後半〜6月前半のBC州北部とYT州南部
天気は晴れっぱなしと崩れっぱなしが1週間ずつ交互に来る感じ。 崩れると寒いが0℃対応の寝袋で問題なし。 Watson Lakeの前後で西風が多かったがたまたまかも。 蚊が増えてくる。夜は遅くまで明るい。
6月後半〜7月前半のYT州北部とNT州北西部
天気は晴れっぱなしと崩れっぱなしが1週間ずつ交互に来る感じ。 天気が崩れると寒いが0℃対応の寝袋で問題なし。 Whitehorse〜Dawson City間は南風が多かった。 蚊が非常に多いので蚊取線香、虫除けスプレーはあった方が良い。 夜はずっと明るい。
7月下旬〜8月のAB、SK、MB州の南部平野部
常に強い西風が吹いている。 低気圧が近づくと風向きが変わる。東風なら雨になる。 夜は暗くなる。蚊は少ない。 SK州では走行中、細かい虫が顔に当たってうっとおしい。

道路状況

自転車での走りやすさは大陸一。 路側帯は広くて綺麗に舗装されているところが多い。 標識はよく整備されている。

BC、YT、NT州(カナダ北西部)
自分が走ったルートでは、最北のデムスタハイウェイ(735kmダート)を除いて 幹線道路は舗装されていた。 Prince Georgeから北西へ行くルートでは一部ダートがあったはずだが、 現在はどうなっているか知らない。 標高500〜1000mくらい。緩やかなアップダウンを繰り返す。
AB、SK、MB州の南部平野部
丘陵地も多少あるが全体的に起伏はゆるやか。 Saskatoon〜Winnipeg間のイエローヘッドハイウェイ(HWY16、HWY1)は 交通量が多くて路側帯が未舗装の走りにくい区間が何か所かある。

ハイウェイでの車の運転マナーは普通。 市街地での運転マナーは、西部(BC、YT州)では気持悪いくらい良い。 中部(SK、MB州)では日本並の悪さ。

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地図

MapArt社のRoad Atlasシリーズを使用した。黄色い表紙やつ。 州単位で本型のやつがC$20、広げるタイプのやつはC$10前後。 州立のキャンプ場の場所、都市詳細図にはインフォメーションセンターの 場所が載っていて役に立った。標高が分かる情報はない。

YT以北の市販の地図は情報が少ない。 インフォメーションセンターでくれる地図やルート情報の方が詳しい。

ハイウェイ沿いの街のスーパーやガソリンスタンドに売っている。 大都市で探し回っても何故か良いものが見つからない。

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補給性

ルートによって事情が異なる。

南部
困らない程度に街、店はある。 ただし、ハイウェイ沿いは50kmくらい何もない区間はある。
アラスカハイウェイ、北クロンダイクハイウェイ
50〜100km間隔にあるサービスエリアにはレストランと売店がある。 売店では密封袋入りの不味いハンバーガなら売っている。 500km間隔にある街にはスーパー他、一通りの物がある。 基本レストランで食べるなら食料を持つ必要はあまりない。
デムスターハイウェイ(735kmダート)
南側入口(Klondike River)と中間地点(Eagle Plains)にはサービスエリアがあり、 レストランと売店がある。食料品店は途中Fort McPharsonの街にのみある。 水は主に川から補給。 Eagle Plainsの南100kmは確実に水を補給できる場所がないので注意。

インフォメーションセンター

インフォメーションセンターの充実度は大陸一。 人口1000人くらいの街からある。 「?」マークの標識により都市部でもわりと簡単に見つけられる。 安いホテルから床屋の場所まで、その街に関することは何でも教えてくれる。 便利なので活用しまくった。 北部ではハイウェイの地図や沿線情報(何キロ地点に何があるかのリスト)をくれる。

田舎のインフォメーションセンターは16時くらいには閉まる。 休日の営業は街によるが、観光客の多いところはやっている。

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インターネット

インターネット屋は殆どない。 大都市と観光地には多少あるが、10〜20分で1カナダドルが相場。

図書館のPC

街の図書館にはPCが置いてあり、受付で手続きすれば無料で使える。 日本語を表示できる確率は半々くらい。日本語入力メソッドはまず入っていない。 大学や短大の図書館にもPCが置いてあり、使うことができる。 アジア人学生が多いためか日本語を表示できるマシンが多い。 日本語入力できるマシンもたまにある。

下の写真はウィニペグ大学の図書館。

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ワイヤレスアクセス

ラップトップPCを持っていればワイヤレス接続可能な場所は多い。 カフェ、モーテル、ホステルなど。 2006年当時でもそれなりにあったので現在はもっと増えているだろう。

キャンプ用品

ホワイトガソリンは、「Home Hardware」というハードウェアショップ (ホームセンターの小さいやつ)に1リットル弱のサイズのが売っている。 アラスカハイウェイ以北の途中の街にもあり、入手性は良い。

「MEC」という大型のアウトドア用品店が大都市にはある。 買うには5ドル払って会員になる必要あり。見るだけなら不要。

寝袋カバーは売っていないらしい。 キャンプ用の鍋はMSRの物ばかり置いてある。

自転車屋

大都市にはあるが、あまり使っていないのでよく分からない。 アウトドア用品店のMECにも自転車コーナーがあり、 パーツ、工具、ツーリング用バッグなどは一通り揃う。

田舎では自転車屋は殆ど見ない。 行きあたりばったりで見つけるのは難しそう。 人口1万人規模の街ならありそうな気はする。 必要ならインフォメーションセンターで聞くべし。

交通機関

路線バス

大都市、中都市には路線バスがある。 路線図はインフォメーションセンターなどでもらえる。 料金は一定、乗車時に払う。おつりはもらえない。 降車するときは窓際に張ってあるロープを引いて運転士に知らせる。

時刻表はなく「何分に1本くらい」としか決まってなくていつ来るのか予想できない。 30分くらい待たされることはよくある。

都市鉄道

モントリオールとトロントには地下鉄がある。 エドモントンには地下鉄はないがLRT(軽量鉄道?)が1本だけある。

単位系

カナダでは公式にはメートル法を使用するらしいが、 米国製品が普及しているためかヤード・ポンド法が多く使われている。

距離
距離はキロメートル(km)、速度はキロメートル毎時(KPH)。
長さ
物の長さはフィート(ft)とインチ(in)。 1in=2.54cm、1ft=12in=30.48cm。 2フィート3インチは「2'3"」と表記する。
重さ
ポンド(lb)またはオンス(oz)。 1oz=約28.3g、1lb=16oz=約453g。 スーパーの量り売りはポンド(lb)。 ラップトップPCとかの重さもポンド(lb)。
容積
飲み物のサイズはミリリットル(ml)で表記されているが、 その値は液量オンス(fl oz)の倍数になっている。 1 fl oz=約29.6ml、1ガロン=128 fl oz=約3.79リットル

その他


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