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持ち物レポート

Copyright (c) 2009-2010 Takeshi Fujiyoshi

日本でよく吟味して買ったもの、現地で妥協して買ったもの、色々あり。 最初から最後まで無交換で使い続けたものは自転車本体だけ。 その自転車も車輪は盗られたので変えている。

目次

持ち物リスト

主なものだけリストアップ。これで全てではない。

評価欄には、使用頻度を3〜0、使い勝手をA〜Cとして記載。

大分類 小分類 メーカ、品名、備考 評価
自転車 関係 自転車 アルプス アルプス・ローバー 3A
サイドバッグ ORTLIEB Back-Roller Classic 3A
OSTRICH S-7(前半) 3B
SUNLITE Fortress Front Pannier(後半) 3B
サイクルメーター CATEYE CC-MC100W(ワイヤレス) 3A
ボトル 年1〜2回交換 3
ワイヤーロック 4桁ダイヤル式の細くて軽いやつ、安物 1A
工具類 空気入れ LAPIZE (自転車付属品, 前半) 3B
TOPEAK MINI MORPH (後半) 3A
タイヤレバー プラスチック沢山と金属2〜3本 3
モンキーレンチ CRAFTSMAN PROFESSIONAL 1 1/8-in.(後半) 2A
マルチツール Filzer Multi-Tool (前半) 3B
TOPEAK HEXUS16 (後半) 3A
Y型ボックスレンチ   2
スプロケット脱着工具   1
クランク抜き   1
スポークレンチ   1
ハブスパナ   0
衣類 着替え 1組のみ 3
レインスーツ上下 (防寒着兼用) MEC Hydrofoil Jacket, Pants (前半) 3B
Mountain Hardware EPIC Jacket, Pant (後半) 3B
寝具 テント ニッピン メスナーSFN-TEX2020 2〜3人用 + レインフライ (前半, 114泊) 3A
Eureka! Spitfire UL (後半の前半, 64泊) 3C
Kelty Grand Mesa 2P (後半の後半, 66泊) 3B
寝袋 モンベル U.L.アルパインダウンハガー#3 (前半) 3A
Mountain Hardware CONNESS32 (後半) 3A
マット Cascade Designs Ridge Rest - Regular 3A
グランドシート ブルーシート、ピクニックシートなど 3A
炊事道具 ストーブ MSR Whisper Lite International (前半) 2B
MSR Dragonfly 3A
鍋、フライパン Snow peak チタン食器3点セット STW-001T (前半) 2C
1.9Lアルミ製片手鍋 (前半) 3A
1.5Lアルミ製片手鍋 +アルミ製フライパン (後半の前半) 3A
NIKKO Cooking Set 2-3 persons CAM-8524 (中国メーカ, アルミ製 中鍋+小鍋+フライパン,後半の後半) 3A
ナイフ スーパーに売っている小型ナイフ 3A
まな板 ダイソーのペラペラのやつ(後半) 3A
食器 プラスチック製コップ、 フォーク、スプーン、レンゲ、箸 3A
電気電子 機器 充電池と充電器 単三6本 (2本はライト、2本はデジカメで常時使用) 3A
ライト Maglite AA Flashlight 3B
デジタルカメラ PENTAX Optio S40 (前半) 3A
PENTAX Optio E40 (後半の前半) 3A
Canon PowerShot A460 (後半の後半) 3A
電子辞書 SHARP PW-M710 (英和/和英等, 前半) 2A
短波ラジオ 品名記録なし不明 (前半) 1C
ノートPC Acer Aspire one AOA150 (最後の3ヶ月のみ) 3A
お金関係 国際キャッシュカード 三井住友 国際キャッシュカード (前半) 3
JTB グローバルキャッシュ (後半) 3
Citibank ワールドキャッシュ (後半) 0
クレジットカード イオンカード 3
トラベラーズチェック 非常用として1000ドル分 (前半はVISA、後半はAMEX) 1
書籍 英西/西英 辞書 ポケットサイズの物を3回くらい買い換えた 2C
スペイン語の教科書 JTB ひとり歩きのスペイン語自由自在(前半) 2C
南雲堂フェニックス スペイン語会話のための文法入門 (後半) 2A
ガイドブック Let's Go Mexico (メキシコのみ) 3A
Let's Go Central America (中米のみ) 3A
Latin America by Bike (前半の後半) 2B
Footprint South American Handbook 2008 (南米のみ) 3A
地図 沢山ある。使い終わったら破棄 3
その他 リュック 安物のみ。劣化したら買い換え 3B
貴重品ポーチ 首下げ、腰巻き 3
文房具 ペン、日記用ノート、はさみ、他 3
医薬品(外傷用のみ) 消毒液、軟膏、絆創膏、ガーゼ、網包帯、他 1
虫対策 蚊取線香とホルダ、虫除けスプレー、 痒み止め薬、 3
ペットボトル 野宿用水入れ。1〜2Lサイズを2〜4本 3A

自転車

自転車はアルプスのアルプス・ローバーを使用。 海外長期ツーリング向けに設計された自転車。 専用キャリアは素人目で見ても上手く作られていると思う。 荷物を沢山積めることが特徴の自転車だが、オーダーしたとき 「過積載はするな」との条件が付けられた。

アルプスは2007年1月に店を閉めてしまったので、 この自転車を新たに作ることはもうできない。

故障とパーツ交換

一番やばかった故障は、パンタナール公園道路の走行中に タイヤの耳の付け根が裂けてチューブが破裂したとき。 運よく村人が古タイヤを提供してくれたおかげで次の街まで走ることができた。

それ以外では、走れなくなるような故障はなかった。 どのパーツでもいきなり壊れることは稀で少しずつおかしくなっていくので、 気づいてから対処すれば間に合う。

タイヤ、チューブ
交換頻度が一番高いパーツ。 日本や欧米メーカーの高品質なタイヤならば1万キロ以上走れるかも知れないが、 中南米で入手できるタイヤは品質が高くないので早目に交換した方が良い。 チューブは、タイヤの脱着時にレバーで大穴を開けてしまって 使えなくなるケースが多い。 MTB用26インチのタイヤ、チューブはどこの国でも容易に手に入るが、 太さは2.0インチ前後が多い。 チューブはタイヤのサイズより太くても問題はない。
ペダル
日本で買ったものは1万キロ以上持つが、 グリスが抜けてカチカチ音がするようになり段々と怪しくなっていく。 中南米で入手できるペダルは品質が悪く数千キロで回転が鈍くなってくる。 しかしタイヤ、チューブ同様にどこの国でも容易に手に入る。
車輪
故障は一度もなかったが、強盗にとられたため新調している。 ハブはシマノのDeoreクラスなら1万キロくらいでベアリング交換と グリスアップしていれば大丈夫ではないかと思われる。
ボトムブラケット(BB)
3万キロくらい使ったあたりで軸がガタガタしているのに気がついた。 パンタナールやペルー東部で何度も水につかったのが悪かったかも知れない。 その状態で更に2千キロ近く走ってから交換した。
チェーン
一度だけ破損した経験がある。ダート走行中、 気づいたら1リンクだけ外側の板がひん曲がって外向きに反れていた。原因は不明。 その場で壊れたリンクだけ予備のリンクに交換した。 それ以外で壊れたことはないが、念のため5千〜1万キロくらいで交換していた。
ワイヤー
切れたことは一度もない。念のため5千〜1万キロくらいで交換していた。

予備パーツ

スペアとして常時持っていたのはチューブ2本とチェーン10リンクのみ。 一時的にワイヤーやブレーキシューを持っていたこともあるが結局使っていない。

チューブのバルブの種類

スポーツ車で主に使われているバルブは以下の2種類。

  • 仏式バルブ (フレンチ、プレスタとも言う)
  • 米式バルブ (自動車と同じやつ。アメリカン、シュレッダとも言う)

中南米では、米式バルブの26インチのチューブはどこでも容易に手に入るが、 仏式バルブのチューブは入手性が悪い。 なお、自転車本体における仏式と米式の違いはリムの穴の大きさだけである。 米式用の方が穴が大きい。

ギア比について

大量の荷物を積んで色々な条件下で走る長期の自転車旅行では、 ギアはできるだけ低く設定しておいた方が良い。 自分の経験では、真ん中より上のギアを使うことは少なかった。 荷物の量と本人の体力によると思う。

アルプス・ローバー購入時の最小ギア比は1対1(ペダル1回転でタイヤ1回転)。 これがベストだと信じてずっと同じくらいのギアを使い続けていたのだが、 ボリビアの高地では上り坂で殆ど押して歩くようになったので もっと低いギアに変えてみたところ、あまりの楽さに感激した。

パーツ構成

参考まで。

種類 メーカ、品名、備考 入手国 使用距離
タイヤ Panaracer Ridge Line 26x1.625 (セミブロック) #とても良い 日本 9900km
MICHELIN Country Rock 26x1.75 (網網スリック) #パンクしまくり アメリカ 5400km
NIMBUS 3 ARMADILO 26x1.50 (スリック) #表面のゴムがパタン部から破れて 剥れてきた。脱着しにくい アメリカ 5700km
スリランカ製 26x1.50 (スリック) #よくパンクする。寿命短い アルゼンチン 2200km
KENDA 26x1.95 (スリック) #耳の付け根が裂けてチューブ破裂 ブラジル 2400km
ブラジル製 26x1.95 (ブロック) ブラジル 3600km
MAXXIS XENITH 26x1.50 (スリック) #舗装路では問題なし。 ケブラービートのため脱着が非常に楽 チリ 2400km
CST Traveller Cross 26x1.50 (セミブロック) #脱着しにくい ペルー 前6600km, 後7300km
Kenda Kwest High Pressure 26x1.5 (スリック, 前のみ) アメリカ 2000km〜
MICHELIN TRANS WORLD CITY 26x1.75/1.95? (スリック, 後のみ) アメリカ 1300km〜
前後リム ARAYA TM 840F 36H 26x1.50(仏式バルブ用) 日本 15200km
SUN RIMS RHYNO LITE (36H, 米式バルブ用) アメリカ 24000km〜
前後ハブ SHIMANO TIAGRA HB-/FH-4400 日本 15200km
SHIMANO DEORE HB-/FH-M530 アメリカ 24000km〜
ボトム ブラケット SHIMANO BB-UN53 日本 33500km
SHIMANO BB-UN26 ブラジル 5900km〜
ペダル 三ヶ島 シルバンツーリングペダル 日本 13400km
たぶん台湾製 ベリーズ 1800km
三ヶ島 シルバンツーリングペダル 日本 11500km
台湾製 ボリビア 1900km
台湾製 ペルー 4800km
たぶん台湾製 ブラジル 1600km
SUNLITE MTB PEDALS #良くない アメリカ 3700km
Wellgo LU-962 アメリカ 610km〜
クランク SUGINO XD2 170mm 日本 39400km〜
前ギア SUGINO 46/36/26 (PCD:110/74) 日本 39400km〜
後ギア SHIMANO CS-HG70 8S 13x26T 日本 9900km
SHIMANO XT 8S 11x27(28?) アメリカ 5400km
SHIMANO 8S 13x26 アメリカ 13000km
SHIMANO 8S 11x32 チリ 11000km〜
前変速機 SHIMANO DEORE LX 日本 39400km〜
後変速機 SHIMANO DEORE LX 日本 39400km〜
シフトレバー SHIMANO SL-R400 日本 39400km〜
チェーン SHIMANO HG 日本 9900km
アメリカ 5400km
アメリカ 6900km
アルゼンチン 6300km
チリ 11000km〜
前後ブレーキ SHIMANO MALAYSIA (カンチ) 日本 39400km〜
ブレーキレバー DIA-COMPE 日本 39400km〜
ハンドルバー NITTO GRAND ROUNDONEUR (ドロップ) 日本 39400km〜
ステム 日本 39400km〜
サドル BROOKS CHAMPION STANDARD B.17 (革) 日本 39400km〜
シートピラー SHIMANO 600 ULTEGRA SP-6400 日本 39400km〜

自転車用のバッグなど

フロントバッグ

自転車用のフロントバッグは自転車以外の用途には使いにくいので、 少しでも荷物を減らすため安物リュックで代用した。 雨のときはリュックをゴミ袋の中に入れて防水する。

サイドバッグ

防水性のバッグが断然良い。雨を気にしなくて良いのはもちろんだが、 泥で汚れても簡単に洗い落とせるのがいい。

防水サイドバッグとしては、 ドイツメーカの オルトリーブ(ORTLIEB) のものが最もポピュラー。旅の途中で会ったヨーロッパ人サイクリストの殆どが オルトリーブのバッグで固めていた。

防水バッグでも縁石にぶつけたりストラップと擦れたりしていつの間にやら穴があく。 多少の雨は入り込むがあまり問題はなかった。

自転車ツーリング用のバッグは中南米ではまず手に入らないので、 高くても壊れにくい良質のものを選ぶべき。

サイクルメーター

サイクルメーターは記録を取る他に現在位置を知るのに役に立つ。 自分は無線タイプ(センサーからメータ本体まで電波で飛ばすやつ)を使っていた。 断線の心配がなくて良い。

ところで、スポークに取り付けてあるセンサーマグネットがダートの振動で 変な方向を向いてしまい、メータが回らなくなることがよくある。 最初の頃は無かったが、長く使っているためか水に漬かったりしたせいか。

工具類

自分の経験では、タイヤレバーと空気入れ以外の工具は滅多に使わない。

タイヤレバー
リムからタイヤを脱着するのに使う。 プラスチックのレバーは折れるので金属レバーは絶対に持っていた方がよい。
六角レンチ
ハンドル、サドル、ブレーキなどの調整のために使うことが 数ヶ月に1回あるかないか。
モンキーレンチ
飛行機に乗るとき、ペダルとキャリアの脱着のために使用する。 先端が薄くて尖ったやつが使いやすい。
Yボックスレンチ
ボルトナットを回すためモンキーレンチと一緒に使う(主にキャリア)。 ブレーキシューの脱着と調整にも使う。別にYレンチじゃなくても良い。
チェーン切り
チェーンが破損したときの応急処置のために持っていた方が安心。 あと、自転車の掃除ではチェーンを外した方がやりやすい。
スポークレンチ(ニップル回し)
車輪の振れやスポークの張り具合が気になったときに使ってみたくなるかも 知れないが、自転車屋にやってもらう方が簡単で確実。 自分の経験では、新品の車輪は早い時期に初期振れが起きるが、 一度しっかり振れ取りをすればその後はなかなか振れない。
ハブスパナ、スプロケット(後ギア)脱着工具

ハブのグリスアップやベアリング交換をする際に必要だが、 自転車屋にやってもらう方が簡単で確実。 走行中ハブがいきなり回らなくなるなんてことはまずない。

ところでスプロケットを外すには通常、ギアの中心に差し込む工具の他に ギアが回転しないように固定する工具を使用するが、 後者はチェーンと細いドライバで代用できる。 やり方はチェーンをギアに巻いて一周したところでリンクの隙間に ドライバーを差し込んで繋げば良い。

クランク抜き
自転車の掃除ではクランクを外したくなるかも知れないが、 実際にはクランクを外せなくても困らない。
BB脱着工具
自分でBBを外すことなんかない。交換するときは買った店でやってもらえば良い。

工具だけで結構な重量になるので不要なものは持ちたくないが、 滅多に使わない工具ほど現地での入手性は悪くなる。 自転車修理屋でも十分な工具が揃ってなくて、ペンチでニップルを回していたり、 ドライバでタイヤを外していたり、スプロケット脱着工具のギザギザが摩り切れて 使い物にならなかったりする店もある。 何があるか分からない長期旅行では結局一通り持つことになるんだろうけど。

マルチツール

メンテナンスで良く使うレンチ、ドライバ、チェーン切りなどが一体となった工具。 手で握る部分が短かいものはトルクがかけられず使い物にならない場合があるので 買うときは注意した方が良い。

自分が使っていたのは TOPEAK の HEXUS16。 六角レンチ各種、ドライバ、チェーン切り、スポークレンチ、タイヤレバーが 入っている。まあまあ使いやすい。

空気入れ

前半は自転車に付いてきたラピーズの仏式バルブ専用の軽量なやつを使用した。 具体的な数値は知らないが最大空気圧はあまり高くないと思われる。 使用上問題はなかった。

後半はTOPEAKのMINI MORPH(ミニモーフ)を使用した。重さ160gくらい。 携帯用だがフロアポンプのように地面に立てて上から押して空気を入れることが可能。

テント

使用したテントの評価

自分が使ったテントは以下の3つ。

ニッピン メスナーSFN-TEX2020 2〜3人用 + レインフライ
日本で購入した登山向けドーム型テント。本体32300円+フライ10500円。 大きさは床210cm×150cm×高さ105cm、重さは本体1510g+フライ540g。 シングルウォールテントだが単体で使うと結露してびしょびしょになるので 常にフライを使っていた。使い勝手はとても良い。 暑いところでは辛いかも知れないが。
Eureka! Spitfire UL

テントを強盗にとられたためアメリカで買いなおしたもの。160ドル。 重さ1kgしかない軽量テントだが以下の問題があり、キャンプが楽しくなくなる。

  • 本体(インナー)は床以外全面メッシュ。風が強いと砂が入り込む。
  • ポールが1本しかなく、ペグなしでは自立しない。
  • 1人用のシェルター型テントなので狭苦しい。
  • 風に弱く風向きに対して設営可能な向きが制限される。
  • 頭と足を逆にして寝れないため傾斜地では設営可能な向きが更に制限される。
  • フライをびしっと張ることが難しく、特に足元の上部が窪んで雨水が溜まる。
Kelty Grand Mesa 2P
Eurekaのテントが嫌になってペルーの輸入キャンプ用品店で買いなおしたもの。 当時レートで13000円くらい。ダブルウォールのドーム型。 大きさは床208cm×147cm×高さ112cm、重さ2100g、 本体(インナー)は壁面積の4分の1くらいがメッシュ窓になっているが悪くはない。 短辺側は出入口側が広くて反対方向に向かって狭くなっている作りが今一。 高さがあるのが嬉しい。通気性はよい。

参考:

出入口は短辺側か長辺側か?

床が長方形のテントでは、出入口は長辺側にある方が都合が良い。 出入りのしやすさ、炊事のやりやすさ、前室の使いやすさ、 そして風対策のしやすさが理由。

風上風下にテントの短辺側を向けた方が安定し、出入口は風下に向けた方が 良いことから、短辺側に出入口があった方が良い、ということはない。 風向きは夜間に変化し、朝起きたら逆風になっていることはよくある。 対策として、橋の下など大きな壁のあるところで出入口を壁に向けて設営すれば、 出入口が風上に向くことはなくなる。横からの風はフライシートで防げばいい。 更に、風向きが変化しても壁に対して水平方向にしか吹いてこないから、 長辺側を壁に向ければ安定する。よって、出入口は長辺側にあったほうが良い。

出入口はL字かD字か逆U字か?

3種類のテントを使った経験では、出入口の形状は逆U字型が一番使いやすい。

L字やD字の出入口はファスナーを全開にするとダランと垂れ下がってきて 空間的に邪魔になる。開けっぱなしにするなら丸めてストラップ等で引っ掛けて 固定しなければないし、逆に閉めるときはストラップをほどいて一旦ダランと 垂れ下げてからファスナーを閉めることになる。 このとき出入口の内側に例えば料理の入った鍋が置いてあったりするとやりにくい。

逆U字ではファスナーを全開にするとただ下に落ちるだけなので、 適当に丸めておくなり隅に寄せておくなりするだけで良いから楽。 鍋が置いてあるとやはり邪魔になるかも知れないがL字やD字よりはやりやすい。

通気性を確保するために入口を少しだけ開けたいことがある。 逆U字ならばファスナーを上部から少し開けるだけで良く、 開閉量の調整も簡単にできるが、L字やD字ではどうやればよいのやら。

ただし、撤収時の掃除はL字、D字の方がやりやすいと思う。 テントを傾けて中に入った砂を払い落とすのに逆U字の出入口は邪魔になる。

スリーブ式か吊り下げ式か?

自分が使ったテントは3つとも吊り下げ式だった。 スリーブ式は使ったことが無いので自信はないが、、 風が強いときの設営、撤収作業では、先に本体をペグなり荷物なりで固定してから ポールを入れられる点で吊り下げ式の方がやりやすいと思う。

キャンピングストーブ

最初はMSRのウィスパーライトインターナショナルを使っていたが、 火力が強すぎて使いにくかったので、 とろ火が自慢のドラゴンフライに買い換えた。 ドラゴンフライは音がうるさいのが唯一の欠点。 キャンプで使うなら問題はないが、ホテルでこっそり使うときはちょっと困る。

どちらのストーブも燃料として自動車用のガソリンを使用できる。 ただし、何十回と使い続けていると段々と火の付きが悪くなってきて、 そのうち使えなくなる。ジェットを交換すれば治るので、 長期の旅行ではジェットの予備をいくらか持っていた方が良い。

電気・電子機器

バッテリを気にしなくてはいけないので、なるべく持たない方が良い。

ノートPC
中南米には1時間1ドル以下のインターネット屋が沢山あるので、 趣味とか仕事とかで長時間作業するのでなければPCを持つ必要はない。 一方、インターネット屋がない北米ではPCを持っていた方が便利だが、 使える場所を苦労して探すのは思い出に残るので、 どちらが良いとは言い切れない。 自分は最後の3ヶ月北米を走ったときだけ持ってみた。
カメラ
自分はコンパクトデジタルカメラを1台持っていただけ。 幸い自分には写真の趣味はなく画質などには全くこだわりがない。 最低解像度の640x480(データ量150KB前後)で1日10枚ペースで撮りまくっていた。 データは定期的にインターネット上のサーバに保存していた。
電子辞書
英和/和英は安くて小さくてバッテリを食わないのが色々売っているので 英語圏の国では持っていると便利。 英語圏でなくても英語のガイドブックを読むのに必要かも知れない。 西和/和西の電子辞書も魅力的だが高くて大きめのやつしか出ていないので 何とも言えない。対日本語の辞書は日本以外の国では入手できない。
短波ラジオ
日本語放送を聞きたくてカナダで買ってみたが、全然受信できず、 結局殆ど使わないまま強盗に持っていかれておしまい。いらない。

お金関係

国際キャッシュカード

国際キャッシュカードとは、現地のATMを使って日本の預金口座から現地通貨で お金を引出すことができるキャッシュカードのこと。大手銀行などが発行している。 VISAが運営するPLUS(プラス)とMasterCardが運営するCirrus(シーラス)の2種類の ATMネットワークがある。国際キャッシュカードはどちらか一方に対応し、 ATMは両方に対応しているものが多い。

国際キャッシュカードに対応したATMは、 アメリカ大陸ではある程度の規模の街ならどこにでも存在し、簡単に見つけられる。 大抵はPLUS、Cirrusのロゴが入っているが、ロゴがなくても使えることも多い。 何故か日本ではPLUS、Cirrusのロゴの入ったATMはシティバンク以外では 見たことがない。

手数料は結構高い。 三井住友国際キャッシュカードの場合、

  • 手数料はご利用1回につき200円
  • 換算レートはVISAインターナショナルが定めたレートに3%を加算したレート

などと分かりにくく書かれている。 まず、VISAレートが公定レートとどう違うのか分からない。 仮にイコールだとすると「引出金額×3%+200円×引出回数」が手数料である。 例えば1年間で旅費を100万円使って1回2万円ずつ国際キャッシュカードで 引出していたとすると、100万円×3%+200円×50回=40,000円を 1年間の手数料として持っていかれたことになる。 ちなみに、三井住友は2009年12月から「5%+100円」に改定された。 これで計算すると100万円×5%+100円×50回=55,000円になる。 もう使いたくないな。

ところで、ATMで現金を引出させようとする強盗(いわゆる短時間誘拐)に あったときのことを考えると、国際キャッシュカードの口座に多額のお金を 入れておくのは安全ではない。 自分は、インターネットバンキングを使って別の口座から国際キャッシュカードの 口座に20万円ずつくらい、残高が少なくなったら振り込んで補充していた。

クレジットカード

クレジットカードは北米では大半の店でも使えるが、 中南米では少なくとも自分行くような店や宿で使えるところは稀で 使う機会は少ない。また、使えても高い手数料を取られることが多い。

クレジットカードが特に役に立ったのは、

  • 飛行機のチケットをインターネットで買ったとき
  • 飛行機の復路のチケットをキャンセル前提で買わされたとき
  • ブラジルのビザを取得するときの旅費の証明として
  • カナダとブラジルの入国審査で旅費の証明として

クレジットカードは買物では暗証番号が不要なため、 偽造されると簡単に使われてしまうのが欠点。 気づいた時点でカード会社に連絡すればその金額は保証されるかも知れないが、 カードを失効しなければならないので長期旅行では困る。

トラベラーズチェック

トラベラーズチェックを使える場所、換金できる場所は限られていることと、 中南米では高い手数料を取られることから不便である。 しかし、無くしたり盗難にあっても現地で再発行できること、 丸めて自転車の中に隠せる点ではカードより優れている。 そのため自分はあくまで非常用として持っていた。実際非常用として役に立った。

ドルキャッシュ

米ドルの現金はどこの国でも両替できる。 また中南米で現地通貨の弱い国では店で米ドルを普通に使うことができる。 そのため、中南米では米ドルを非常用にいくらか持っておいた方が良い。

ただし、少しでも汚れていたり破れていたりすると拒否されるので注意が必要。 非常用という意味ではなるべく小額通貨で持っていた方が使い勝手がよい。 最高でも20ドル札まで。

ガイドブック

ガイドブックは重いし無くても構わないが、持っていれば役には立つ。 日本語のガイドブックには良いものがないので洋書に頼ることになる。 中南米でも首都や外国人旅行客の集まる街では英語の少し古いガイドブックが 入手できる。必要なときに買い、不要になったら捨てれば荷物を減らせる。

筆者が使用したガイドブックは以下の通り。 重量に対して情報量が多いものを選んでいる。

Let's Go Mexico (メキシコ)
アメリカのテキサス州オースティンの本屋で購入。 少しでも軽くするため、不要になったページはその都度捨てていった。
Let's Go Central America (中米)
メキシコシティの空港の旅行用品店で購入。 少しでも軽くするため、不要になったページはその都度捨てていった。
Footprint South American Handbook 2008 (南米)
南米に飛ぶ前にアメリカのマイアミで購入。南米全体のガイドブックの中では 重量に対する情報量が一番多そうだったのでこれにした。 情報が古く間違っているところも多々見られるが、全体としては良い。 重いので国単位に分解して必要な分だけリュックに入れていた。 南米を出るときに捨てた。

参考:

荷物の積載量

荷物の重量は正確に測ったことがないが、 飛行機のチェックイン時に見た感じだと自転車、水、食料抜きで大体 20kg 。

水は毎朝出発時に2リットルくらい持っていく。 野宿で自炊するときはその直前に更に3リットルくらい余分に持つが、 大抵10km以内に走行を終える。 食料の積載量は街の間隔によって変化するが、通常は 3kg 以下。 カナダ最北部とパタゴニアの一部では 5kg くらい積んでいたかも知れない。

従って、自転車を除いた荷物の総重量は、通常は 24 kg 前後、 人口の少ない場所では一時的に最大 30kg くらいと思われる。


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